食用のコオロギやタガメなどの自動販売機が1月、小倉「魚町銀天街」の「中屋興産ビル」(北九州市小倉北区魚町3)に設置された。
東京農業大学発の学生ベンチャー「うつせみテクノ」(東京都渋谷区)が機器の設置と商品供給をし、同商店街が管理運営をする。
「昆虫食」は、将来の世界食糧危機への対策や、栄養価が高く環境負荷が低いこと、効率的なタンパク源として、近年注目されている。昨年は「無印良品」がコオロギの粉末を使ったせんべい「コオロギせんべい」を販売したことも話題になった。
同ビルの位置する「魚町銀天街」は、ホームレス自立支援や近隣飲食店と協力したフードロスの削減、地域内の遊休不動産を再生するリノベーションの活動などが評価され、2019年、外務省主催の「ジャパンSDGsアワード」で内閣総理大臣賞を受けた。
商店街振興組合副理事長の松永優子さんは「フードロスや世界的な食糧危機が人類の課題となった。近い将来、日常的な食材として昆虫食を使う日が来るかもしれない。『昆虫食ってどんなもの?』と興味を持っていただく機会になれば」と話す。
商品ラインアップは、「タランチュラ(クモ)」や「タガメ」「バッタ目ミックス」「幼虫ミックス」などのスナック(1,000円~2,000円)のほか、カイコ入りの「蚕桑茶」(800円)、「タガメサイダー」(550円)などのドリンク類も。2月13日から「ウツセミテクノ」「ネジチョコ」とのコラボ商品「コオロギネジチョコ」(1,000円)も販売している。