今年2回の大規模火災に見舞われた旦過市場の復興支援を目的とするカプセルトイ「ガチャリティ」の販売が10月24日、同市場近くの「ベニーズコーヒー」(北九州市小倉北区魚町4)店頭で始まった。
カプセルトイを販売するのは、地元グラフィックデザイナーの岡崎友則さん。岡崎さんは約10年前から「観光向けの風景ではなく、何気ない日常の小倉」に着目し、イラストを描きためてきた。1回目の火災直前の3月、イラストで缶バッジを制作し「小倉城しろてらす」(城内3)で売り出したところへ火災が発生。「ガチャリティ」の導入を思い付いたという。
「ガチャリティ」とは、カプセルトイの販売利益を募金につなげるチャリティーの仕組みで、九州産業大学教授の伊藤敬生さんらが提唱して活動し、「令和2年7月豪雨災害義援金」「平成28年熊本地震災害義援金」で義援金を集めた実績がある。
現在、岡崎さんの呼びかけで、イラストレーターで北九州市在住の黒田征太郎さん、イラストレーター・俳優のリリーフランキーさん、北九州出身の画家・牧野伊三夫さん、北九州で活動したことがあるnuttsponchon(ナッツポンチョン)さん、市内在住の漫画家・おおがまめおさんら6人のクリエーターがイラスト入りの缶バッジ2個組みをカプセルトイにして販売している。
「地元の経済団体や有志が積極的に募金活動をするなどし、火災後のがれき撤去はほぼ終了したが、本格的な復興はこれから。地道に支援していくためにも、こうした活動で旦過市場に目を向けてほしい」と岡崎さん。「売上から経費を除いた収益を、市場再建に役立ててもらえるところへ届けたい」とも。
設置場所を提供した「ベニーズコーヒー」店主の別所英幸さんは「(ベニーズコーヒーの)開業から3年が過ぎ、やっと市場になじんできたところに大きな火災が起きた。個性豊かな缶バッジそれぞれが、これから復興していく旦過市場の楽しさを伝える物になれば」と話す。
カプセルトイの販売時間は11時~17時。ベニーズコーヒーの営業時間に準じる。価格は500円。木曜定休。