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小倉の洋菓子店「糖質カットロールケーキ」-糖尿病患者向けに病院とコラボ

「糖質削減ということで『糖質カットダイエット』に目が行きがちだが、ほんとうに苦しんでいる糖尿病患者さんのためになってほしい」と村瀬さん

「糖質削減ということで『糖質カットダイエット』に目が行きがちだが、ほんとうに苦しんでいる糖尿病患者さんのためになってほしい」と村瀬さん

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 小倉の洋菓子店「パティスリー ボヌール」(北九州市小倉北区真鶴2、TEL 093-592-5066)と小倉第一病院(同)が共同開発し、昨年6月から販売を始めた糖尿病患者向けロールケーキ「ココロール」の販売個数が4000個を超えた。

小倉第一病院・中村院長(左)と管理栄養士の山本さん

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 同病院の中村秀敏院長や管理栄養士の山本心さん、同店店主の村瀬雄一郎さんが「糖尿病患者でも甘いお菓子を食べたいというニーズがある」ことに着目し、小麦粉の代わりに大豆粉、砂糖の代わりに人工甘味料などを使い、カンテンの一種を使うことで生クリームの舌触りを再現した。通常のレシピで作るロールケーキと比較して、「糖質量を約90%削減した」という。

 中村院長は、すぐ近所にある同店の村瀬さんと、「いずれ患者さんでも食べられるスイーツを共同開発したい」と話していたところ、大学で「糖尿病患者でも食べられるロールケーキづくり」を研究課題として取り組んだ山本さんが、同病院への就職面接時に中村院長にプレゼンテーションしたことで三者の思いが合致した。試食やレシピの変更を繰り返した開発には1年を要し、商品名は、中村院長が「山本さんの名前から『ココロール』」と名付けた。

 村瀬さんは「自分が知らなかった材料などの情報をもらい、工夫を重ねて通常のロールケーキと遜色のないものができた」と話す。中村院長は「福岡県は人工透析を受ける患者数が全国7位と多い。日頃接する糖尿病患者のためになれば」と話す。山本さんは「この取り組みが医療従事者の間に広まってほしい。そこからさらに新しい提案を続けていきたい」と抱負を話す。

 価格は、ロング(約16センチメートル)=1,890円、カット=315円。

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