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小倉のオーダー抱っこひも工房「楽子」-主婦が「アジャスター付き新製品」発表

肩ひもの幅を可変にすることで、肩に掛かる負担を「大幅に軽減した」。

肩ひもの幅を可変にすることで、肩に掛かる負担を「大幅に軽減した」。

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 小倉のオーダー抱っこひも工房「楽子(らくこ)」(北九州市小倉南区守恒本町2)は現在、昨年10月に開かれた「ふくおかデザインアワード」で優秀賞を受賞した「アジャスター付きMugyu Mugyu(ムギュムギュ)」の商品化を進める一方、販売ルート整備などの準備に取り掛かっている。

すべての製品は、大森さん自身が工房で手作りする

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 3人兄弟の母親で主婦の大森彩さんが、「3男が生まれた2006年当時、市販の抱っこひもに不満があり改良を重ねて自作し、友人らにプレゼントしたものが好評だった」ことがきっかけで、自宅の一室を工房としてネットを通じてオーダーを受けてきた。2011年ごろから地元の伝統工芸品で軽く強靭(きょうじん)な「小倉織」に着目し、好みに応じて7種類のパターンから選んでオーダーできるようにもした。

 オーダーは「採寸キットや生地見本をお客さまに送り、返送してもらってから約2週間で仕上げて納品」している。「お客さまとなる母親同士で子育ての悩みなどを共有しながら仕様を決めていくことが自分の励みにもなる」が、月産数本程度と受注量が伸び悩む。「ギフトニーズや百貨店店頭などでの販売のため、もっと『買いやすい』仕様にするべき」と、調整ベルトを取り付けることで体格の違いをカバーできるよう工夫して生まれたのが、今回のアジャスター付き抱っこひもだ。

 肩に掛かる負担を軽減するよう肩ひもの幅を調整でき、子どもの足入れを設けることで落下を防止し、母親と子どもの一体感を得られる工夫が特徴。「実用新案」も取得した。

 大森さんは「楽子の工房名は楽に子どもを抱えられるようにという意味だが、小倉をひっくり返した言葉でもある」と「小倉発」であることにこだわりを見せる。駅伝のランナーのように、たすき掛けで子どもの命を抱くころから「命をリレーする(つなぐ)ものとして育ってほしい。母親から子ども、孫に至るまで使っていただくことが夢」と抱負を話す。

 価格は、「小倉織(オーダー品)Mugyu Mugyu」=1万9,950円、「小倉織(アジャスター付き)Mugyu Mugyu」=2万1,000円。「母子を大事に守るものなので1工程ずつ念入りに製作している。厄災が降りかからないように、生地にハサミを入れる日柄にもこだわっている」という同商品の納期は約2週間。

 2月14日~27日、「コレット井筒屋」(京町3)5階の「福岡デザインコレクション」で展示を行う。

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