見る・遊ぶ 学ぶ・知る

北九州八幡の元銭湯で現代アート展-伐採された樹木を再生

会場内で作品「生命体I」を解説する増本さん。

会場内で作品「生命体I」を解説する増本さん。

  • 0

  •  

 八幡東区の元銭湯「八万湯」(北九州市八幡東区祇園1)で8月20日、現代彫刻家・増本達彦さんの個展「animism(アニミズム)」が始まった。

大小約30点の作品が展示されている。

[広告]

 増本さんは、松山東雲女子大学(愛媛県松山市)で美術担当講師として教べんを執る傍ら、木や石などの素朴な素材で立体作品を作る彫刻家。一見簡素で素朴な造形でありながら、「癒やし」「情欲」「悲しみ」「強さ」などの人間の根源的な感情を抱かせる作品を生み出している。

 「大学内やその周辺に人間の都合で伐採される樹木がたくさんあった。樹木にも命があり尊い。かつてわれわれの祖先が持っていた原始宗教(アニミズム)のように尊い自然を感じてほしい」とテーマに込める思いを語る増本さん。「被災地へ向けたメッセージとして、音楽や演劇ほどのインパクトはないが、こうした静かなアート活動は、再生された樹木をじかに触ることで、自然への畏怖や尊敬を感じてもらえるはず」とも。

 会場となった八万湯は、新日本製鉄やその周辺の工場労働者や家族のために1961(昭和36)年に建てられた銭湯。閉鎖された1994年以降、多くの現代アーティストが「八幡のシンボル性」や「人間の営み」を同所に見いだし、多くのアートプロジェクトが展開されてきた。その後いったん活動を休止するが、2009年5月、新たに実行委員会が設立され、アート、文化、教育など多方面に向けた活動が行われている。

 開催日は8月20日・21日、26日~28日、9月2日~4日。時間は13時~20時。入場無料

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース