門司港の中央市場(北九州市門司区老松町1)内に6月16日、そば専門店「仙」が1年2カ月のブランクを経て再開した。
店舗面積は7坪。席数は13席。昨年4月まで本町で営業していた同店が「建物の老朽化がひどく営業を続けることが困難になったため」閉店し、店主の藤巻さんが清涼飲料メーカーで働きながら「店舗探しや陶器の器づくり」の準備を経て再出発した。
藤巻さんは「子どもの頃に食べた、近所の老舗そば店の味が忘れられず、いつかはそば職人に」という夢を持ち続け、約5年前、OA機器販売会社のSEを辞めて、鞍手郡の有名そば店で修行を積み独立した。北海道産のそばを使う二八そばで、のどごしの良さが特徴という。
戦後の闇市が起源で、後に鉄筋コンクリートで建てられた同市場。狭隘(きょうあい)な通路が醸し出すイメージが独特で、以前から営業する青果店や惣菜店と、近年になって若い起業家らが出店した古書店や古道具屋、カフェなど混然一体となった魅力が注目されている。市場の雰囲気に合わせて廃材や安価な材料を使った内装は「ボロかわいい」と来店客から言われるという。
主なメニューは「手打ちざるそば」(600円)、「手打ちかけそば」(550円)、「鴨せいろ」「鴨南そば」(以上1,050円)、「そば米おにぎり」(100円)など。飲み物は「エビス生ビール」「日本酒(真澄)」(以上500円)など。
営業時間は11時~15時、18時~22時。