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エリア特集2015-12-10

苅田(かんだ)町で「お試し移住者」募集

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苅田町は、築100年超の古民家などでの「お試し移住者」を募集し、9日間~23日間の期間で滞在してもらいながら、第三者から見た町の魅力を探る。
集落には今年8月からすでに住み始めている「先輩」移住者も。「限界集落」と言われた「等覚寺(とかくじ)」地区の自立を目指し、活動している藤田紫(ゆかり)さんに話を聞いた。

平尾台の中腹に抱きかかえられるように佇む「等覚寺(とかくじ)」地区

 北九州市に隣接する京都郡(みやこぐん)苅田町(かんだまち)は、沿岸部に連なる日産自動車や三菱セメントなどの大規模工場の存在感が強くそのイメージばかりが先行しているが、カルスト台地を背景にしたのどかな田園風景、豊かな農産物など、町が潜在的に持っている魅力はまだまだたくさんある。

 その苅田町に、平尾台の稜線に抱かれるようにひっそりと佇む、伝統と人々の営みが凝縮されたような集落がある。その名も「等覚寺(とかくじ)」。約1000年前に、近くの鍾乳洞「青龍窟」を修験(しゅげん)の場とする山伏らが開墾したと言われ、もっとも多い時期は300世帯を超えていたこともあるのだそう。いまでは、若い世代は便利な麓の「まち中」に住み、ここには、静かな時間を好む高齢者世帯数軒が寄り添うように住んでいる。

 そんな等覚寺の隅に築100年を超える古民家があり、町ではここでのお試し移住者を募集している。

関西から移住してきた藤田紫さん

 じつはすでに今年8月から等覚寺に住み始めた女性がいる。藤田紫(ゆかり)さん。「苅田町地域おこし協力隊」の職を得て、地域で伝統的に作られる「松会味噌」や「そば」などの製造を通じて田舎暮らしを実践している。

 藤田さんは、大学農学部を卒業後食品スーパーに就職し、その後生産地と販売者をつなぐ農産品の流通商社に転職。一貫して「農産物に関わる仕事」をしてきた。「いつかは田舎暮らしがしたい」と考えていた藤田さん。「苅田町が発信した『ザ限界集落サポーター募集』の求人記事」をインターネットで見かけてすぐに現地入りしたという。その後、いくつかの田舎暮らし候補地を視察したものの、等覚寺を超える魅力のあるものはなかったと、「町の採用が決まる前に、会社には退職願を出した」。

 当初、「小さな集落に受け入れられるか?」と不安もあったが、「遠慮の要らない気さくな空気や、ゆったりした時間が過ぎること」などに払拭された。

適度な距離感の小さなコミュニティーから「田舎暮らし」を発信

 コミュニティーに受け入れられたことで、活動の発端となる地元資源の情報が藤田さんのもとに集まり始めた。すももの原種という周辺に自生する果実「いくり」を使ったジャム作りや、自宅を改修して「地元の食材だけで運営する週末限定のカフェ」など、地域活性化のアイデアは湧き水のように湧いてくる。

 3年間の契約期間後は「田舎暮らしを望む人を受け入れる『田舎暮らし予備校』の創設」を視野に入れている。「ここに住むおじいちゃんやおばあちゃんの知恵を次世代に受け継ぐためにも学校づくりは必要」と藤田さん。8割以上が休耕田となってしまった棚田を、田んぼとして再度復活させたいとも。

町では受け入れ施設としてほかに、農村エリアの農家、まち中の空き家、繁華街近くの鉄筋アパートも用意した。主幹する「共働の町づくり課」係長の加藤孝二さんは「沿岸部に大規模工場がたくさんあるイメージばかりが先行して、豊かな自然や静かな農村などの魅力をうまく発信できていない。お試し移住で実際に住んだ人から感想を聞きながら、今後どう発信していくか考えたい」と可能性を模索する。

物件の詳細や募集要項などは「苅田町ホームページ」で確認できる。フェイスブックで「等覚寺だより」を発信している。

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