小倉・京町のライブハウス「FUSE(フューズ)」(北九州市小倉北区京町2)で6月22日、小倉出身の歌手「櫻(さくら)」さんが凱旋(がいせん)ライブを行う。
櫻さんは約10年前の23歳まで北九州で過ごしたが、歌手になる夢を捨てきれずに上京。「何のつてもなくラジカセをバックにした路上ライブを繰り返していたが、ライブハウスで歌うようになり、新人発掘にたけたプロデューサーの目に留まった」ことがきっかけで2012年にデビューした。
上京を決めた時やなかなか芽が出ずに落ち込んでいた時に「あなたが誰かのために歌う姿を見るのが好き。一番大切なことは歌い続けること」と背中を押してくれた母親は、2011年東日本大震災へのボランティアからの帰りに病に倒れ亡くなった。デビュー曲「櫻の花」は両親が好きだった桜をイメージしたバラード調の曲で、歌手名もそれにちなんだ。
今年3月、7回忌のために帰省する櫻さんが搭乗した「スターフライヤー」機内で、キャビンアテンダントが機転を利かせ、母親の遺影をまるで一人の客のように扱ったエピソードをつづったブログ「スターフライヤーの神対応」が、大手ネットメディアに取り上げられ話題になった。
出身校の啓知高校(門司区原町別院)は今年の卒業生を最後に廃校が決まるなど、「北九州との縁が薄まっているが、地元が本社のスターフライヤーでのエピソードは(北九州出身という)自分のアイデンティティーを確認できたうれしい出来事だった」と振り返る。
19時開演。入場料は2,500円(前売り2,000円)。