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小倉に子育て世帯向けインキュベーション施設「comichi」 築50年の長屋を改修

明るくなった通路に通行客が戻ってきた

明るくなった通路に通行客が戻ってきた

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 小倉・香春口に5月8日、10年以上空きテナントとなっていた飲食店街をリノベーションした「COMICHIかわらぐち」(北九州市小倉北区香春口1)がオープンした。

「gen-can & よーよー」の馬場美芽さん(右)と桑原陽子さん

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 約50年前に建てられた「うなぎの寝床」状の建物で、約5坪の店が11軒並んだ長屋構造をそのまま生かし、リノベーションによってカフェや雑貨店、鍼灸(しんきゅう)院、美容室、子ども向け英会話教室、小料理店などが入居した。改修前はトタンで覆われ昼間でも暗かった通路は、半透明の屋根に架け替えられ明るく通りやすいものとなった。

 このエリアは、かつて500席を越える映画館があるなどにぎわった場所だったが、住民の高齢化とともに商店街は衰退した。一方で新築のマンションが立ち並ぶなど、子育て世帯の流入も目立つ。「この場所で子育てしながら働きたいが、費用面で諦めていたという女性らが、自分の店を持ちスモールビジネスを起こせば、途絶えていた人通りが復活し、昔と今が入り交じった活気ある場所になれる」と施設を運営する「北九州家守舎」(魚町3)の青木純さん。取り組みやすいように家賃を抑えた(1区画3万円~)ことも特徴。

 消しゴムはんこと衣料雑貨を扱う「gen-can(げんかん)&よーよー」の馬場美芽さんと桑原陽子さんは、魚町のクラフト作家向けインキュベーション施設「ポポラート三番街」(魚町3)からの卒業組だ。「もともと独立した店舗を持ちたいと考えていた。予算的にも厳しかったが、主人の協力もあり2人でシェアすることで解決できた」(馬場さん)という。

 ほかの店舗も全て子育て中の母親ら女性が経営している。「暗く怪しかった通路が明るくなり、多くの子どもたちが行き交うようになった。子どもたちが働くママの姿を毎日見ることはとても大切なこと。懐かしい未来を描いたような施設になる」(青木さん)といい、かつて町内全体で子育てをしていた時代をほうふつとさせるコンセプトとなった。

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