多ブランド展開型の外食企業グループである Trailhead Global Holdings 株式会社(本社:東京都渋谷区、東京証券取引所スタンダード市場、証券コード:3358、代表取締役社長:高田 十光、以下「当社」)は、2026年8月13日、モンゴル・台湾・スリランカの3か国における事業展開について、それぞれ以下のとおり公表いたしました。

ワイエスフード(日本)を起点に、モンゴル・台湾・スリランカのアジア3ヵ国へ

3件は個別の案件ではなく、単一の成長モデルを異なる市場条件のもとで実装したものであります。
以下、当社の海外展開戦略の全体像とあわせてご説明いたします。
1.前提 ― 国内におけるロールアップの実績
当社グループは、M&Aを通じて短期間のうちに複数の外食ブランドを取得し、これに製造機能を組み合わせたポートフォリオを構築してまいりました。ラーメン、焼肉、ハンバーガー、ロティサリー、弁当・ケータリングと、業態は意図的に分散させております。
祖業である「九州筑豊ラーメン山小屋」は、1970年創業の九州発祥ブランドとして半世紀以上の実績を有し、またこれまでに取得したブランドは、いずれも各業態において一定の評価を確立しております。今期グループインした株式会社食べるの弁当ブランド「三代目玄KURO」は、第3回日本ロケ弁大賞を受賞しています。
当社のM&Aは、規模の拡大のみを目的とするものではなく、それぞれが独自の顧客基盤と商品力を持つ事業を選別的に取得するものであります。海外展開は、この国内ロールアップにより蓄積したアセットを、別の市場に転用する取り組みであります。
2.展開の原資となるアセット

外食企業が海外に展開する際に持ち出せるものは、通常、ブランドと運営ノウハウに限られます。当社はこれに加え、日本で製造した麺とスープそのもの、及び商品開発機能を供給することができます。この差は、国内市場では相対化されにくい一方、海外に出た時点で明確な優位性として作用いたします。

ワイエスフード(田川工場)の製麺工場の一部
3.収益構造 ― 店舗運営に依存しない三層のモデル
上記のアセット構成により、当社の海外事業は店舗運営以外の収益機会を併せ持ちます。

本モデルの要点は、製造機能を日本国内に一か所保有すれば足りるという点にあります。展開地域が増加するほど工場稼働率は上昇し、地域ごとの追加設備投資を伴わずに収益が積み上がる構造となります。当社が複数地域を同時に進行させているのは、この再現性とレバレッジを前提としているためであります。
4.市場選定の考え方 ― 成熟市場と高成長市場の並行攻略
当社は、海外展開において後発であります。日本の主要外食チェーンが既に高い密度で展開している市場において、同じ土俵で競争することは合理的ではないと判断しております。
そこで当社は、市場を成熟度によって二分し、それぞれ異なる目的と手法を設定しております。

成熟市場においては、認知獲得に要する時間とコストが参入障壁となります。当社はこれを、既に現地で支持を得ている事業を経営者ごと承継することで回避いたします。
一方、高成長市場においては、市場が形成される前に位置を確保できるかが成否を分けます。後発の海外展開事業者にとって、この領域における先行こそが、最も費用対効果の高い投資であると考えております。
5.「アセット・ロールアップ型」成長モデル
当社の国内における成長は、ブランドの取得と統合、すなわちロールアップによって実現してまいりました。海外展開においても、同一の方法論を適用いたします。

この循環において重要なのは、各地域で取得したアセットが、次の展開の原資となる点であります。台湾で取得するセントラルキッチンは同国内の出店を支え、各地域で得た運営知見と現地ネットワークは、次の地域における参入速度を高めます。
6.展開順序 ― アジアで規模を確立したうえで、次の地域へ
当社は、まずアジアにおいて事業規模と収益基盤を確立することを優先いたします。地理的近接性による物流効率、日本食に対する既存の受容度、そして市場成熟度の多様性という三点において、アジアは当社のモデルを検証し、確立するうえで最も適した地域であると判断しております。
アジアにおいて型が確立した後は、同一の方法論を欧米その他の地域へ順次適用してまいります。現時点で具体的な計画を有するものではありませんが、当社が構築しようとしているのは特定地域に固有の仕組みではなく、地域を問わず適用可能な成長モデルであります。
7.本モデルが企業価値に結びつく理由
当社が本モデルを採用している理由は、資本効率にあります。

外食企業の海外展開は、一般に出店に伴う設備投資と人員配置が先行し、投下資本の回収に時間を要します。当社は、投下資本を抑制しながら収益機会を確保する構造を志向しており、これが中期的な企業価値の向上に資するものと考えております。
8.進捗の評価指標
本モデルの進捗は、当面、以下の指標によりご評価いただくことが適切であると考えております。

単年度の損益への寄与ではなく、これらの指標が積み上がることが、本モデルの機能を示すものと位置づけております。
モンゴル|商品供給による先行参入 ― 契約締結
当社は、株式会社Onono Corporation及び株式会社Onono Village(以下「Onono社」)との間で業務提携契約を締結いたしました。
Onono社は、モンゴル国において日本食品の輸出、現地小売チャネルへの配荷、広告・PRの企画実行、店舗運営までを一体で手掛ける企業であります。同国において日本式コンビニエンスストア「onono CURATED BY JAPAN」を運営するほか、複数の日本ブランドについて現地でのプロモーション実績を有しております。
対象商品は「山小屋からの贈り物 豚骨ラーメン1食」であります。乾麺でありながら生麺に近い食感を実現した島田掛け乾麺と、とんこつの旨みを凝縮した液体スープを組み合わせ、店舗で提供している味を家庭で再現できる商品として開発いたしました。常温流通が可能であるため、輸送距離の長い内陸国への展開にも適しております。
店舗を伴わない商品供給から参入することにより、初期投資を抑制しつつ市場性を検証することが可能となります。モンゴルは、日本ブランドの進出がなお限定的である一方、都市部における近代的小売チャネルの整備が進んでおり、先行参入の効果が期待できる市場であると認識しております。

※写真はイメージです。トッピング具材は付属しておりません。
2026年10月に現地でのマーケティング活動を開始し、11月より現地小売チャネルでのテスト販売を予定しております。その結果を踏まえ、現地小売事業者及び外食事業者への販路拡大、ならびにカザフスタン共和国その他の地域への展開について、Onono社と協議してまいります。
台湾|事業承継による成熟市場への参入 ― 基本合意
当社は、台南でラーメン店2店舗及びセントラルキッチンを運営する相手方(個人)と、合弁会社の設立及び事業譲受けについて基本合意いたしました。
台湾は、日本式ラーメンに対する需要が既に定着した市場であります。日本の外食ブランドが多数進出しており、消費者の選別水準も高い。この市場において新規出店により認知を獲得する場合、相応の期間と費用を要します。
相手方は、当該市場において自ら2店舗とセントラルキッチンを立ち上げ、数年をかけて支持を確立してきた経営者であります。仕入先、従業員、レシピ、及び地域の顧客との関係が既に存在しております。当社は、これをゼロから構築するのではなく、経営者を含めて承継する方式を選択いたしました。
相手方には合弁会社の持分20%を保有いただき、総経理として引き続き経営を統括いただきます。事業のみを譲り受け経営者が離脱した場合、残るのは設備と看板のみとなります。当社が承継の対象としているのは、相手方が構築してきた事業体そのものであります。

台湾の既存ラーメン店舗(店内イメージ)

台湾のラーメンブランド(商品イメージ)
既存のセントラルキッチンは、今後の出店を支える製造拠点として活用いたします。台湾における展開速度は、この拠点の活用度合いによって決定されます。将来的には現地の既存ラーメンブランドと「九州筑豊ラーメン山小屋」の2ブランドを併行して展開することも視野に入れております。
スリランカ|経済特区への早期参入 ― 検討開始
当社は、スリランカ民主社会主義共和国の経済特別区「Port City Colombo」内の飲食エリア「The Food Harbour」において、当社グループの複数ブランドによる複合型店舗を出店することの可能性について、具体的な検討を開始いたしました。
Port City Colombo は、2021年コロンボ港湾都市経済委員会法に基づき設置された、スリランカで初めての多機能型経済特別区であります。コロンボ中心業務地区に隣接する269ヘクタールの埋立地に開発が進められており、区域内は国内金融制度から分離された枠組みのもと、指定外国通貨建てでの事業運営、外国資本の出資比率及び外国人雇用に係る上限の不設定、単一窓口による許認可手続などが定められております。
本件の位置づけは、開発の初期段階における参入にあります。区域の開発が進捗し来街者が増加した後に参入する場合、区画の確保及び賃貸条件の両面で不利となります。後発の海外展開事業者にとって、こうした形成期の市場に早期に位置を占めることは、成熟市場における競争と比較して費用対効果が高いと判断しております。

出典:Port City Colombo
検討対象ブランドは、「九州筑豊ラーメン山小屋」、「KINKA」、「BURGER REVOLUTION」の3ブランドであります。単一ブランドでの出店ではなく、業態の異なる複数ブランドを一体で展開することにより、投資及び運営体制を共通化しつつ、現地における当社グループの認知を効率的に形成することを企図しております。これは、複数ブランドを保有する当社の構成を直接的に活かす手法であります。
山小屋については、麺及びスープを田川工場からの輸出により供給することを前提としております。ブランドの展開と商品供給を同時に立ち上げる、当社の海外展開モデルを最も明確な形で体現する案件と位置づけております。
なお、本件は検討を開始した段階であり、出店の実施を決定したものではありません。2026年8月より6か月間を目途に検討を進め、当社取締役会において実施の可否を判断いたします。
Port City Colombo公式サイト:
https://www.portcitycolombo.lk
Trailhead Global Holdings株式会社 代表取締役社長 高田 十光
当社が国内で培った「製麺・商品開発・多ブランド展開」の統合モデルは、海外でこそ真価を発揮します。日本品質の麺を安定供給し、業態の異なるブランドを同時に投入できる事業者は稀です。
海外展開において、私たちは後発としての戦い方を徹底します。成熟市場では現地基盤の承継を、成長市場では早期の布石を打ちます。モンゴル、台湾、スリランカの3件は、国や地理ではなく、共に事業を構築できるパートナーとの出会いを起点とした、同一モデルの実装です。海外展開の成否は「誰と組むか」で決まると考えています。

また、当社の規模に適した資本効率を最優先します。各国へ過度な設備投資や人員派遣を行うのではなく、日本の生産拠点と現地の販売網・パートナーの知見を掛け合わせます。これにより、展開地域が増えるほど効率が上がる構造を築きます。まずはアジアで確かな収益基盤を確立し、将来的に欧米へもこの「成長の型」を順次展開してまいります。
当社は、国内における多ブランド展開とM&Aによる成長に加え、海外展開を中期的な成長戦略の柱と位置づけております。
財務基盤の整備につきましても、着実に進めております。2026年7月31日には、資本準備金の額の減少及び剰余金の処分の効力が発生し、繰越利益剰余金の欠損填補を完了いたしました。
本日公表の3件は、いずれも現時点において当社の連結業績に与える影響は軽微であります。当社が重視しているのは単年度の損益への寄与ではなく、複数の地域において再現可能な事業構造を確立することであります。
本モデルの特徴は、展開地域の拡大が地域ごとの設備投資を必要としない点にあります。国内に保有する製造機能と、M&Aにより取得したブランドという既存のアセットを、追加投資を抑制しながら複数市場に転用する。この構造が機能すれば、投下資本に対する収益性は展開の進捗とともに改善いたします。当社は、これが中期的な企業価値の向上につながるものと考えております。
進捗の評価にあたっては、上記I.8に記載の指標をご参照いただければ幸いであります。
引き続き、進捗を適時に開示してまいります。
多ブランド展開型の外食企業グループとして、「山小屋」「KINKA」「BURGER REVOLUTION」などの多彩なブランドを展開し、連結子会社ワイエスフードによる製造事業も営んでいます。M&Aによる国内ポートフォリオ拡充、海外展開、外食産業のデジタル化を成長戦略の柱としています。
会社名:Trailhead Global Holdings株式会社(Trailhead Global Holdings, Inc.)
所在地:〒150-0043 東京都渋谷区道玄坂一丁目2番3号
設 立:1994年5月
代表者:代表取締役社長 高田 十光
資本金:16億3,881万1,032円
売上高:単体 11億8,300万円(2026年3月期)
連結 18億2,600万円(2026年3月期)
事業内容:グループ会社の経営管理およびそれに付帯する業務、不動産賃貸事業
URL:
https://thg-hd.com/
【注記】
Port City Colomboに関する数値は開発事業者の公表資料に基づく将来計画であり、実際の進捗と異なる場合があります。本リリースに含まれる当社の将来予測は、現時点で入手可能な情報に基づく判断であり、経済情勢や規制等の変動により実際の結果と大きく異なる可能性があります。なお、本リリースは投資勧誘を目的としたものではありません。